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オンライン国際研究広報「EurekAlert!」に本学の白井孝先生(生命・応用化学)の研究成果が掲載されました

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2021年5月11日付オンライン国際研究広報「EurekAlert!」に本学の白井孝先生(生命・応用化学)の研究成果が掲載されました。

白井先生らの研究グループは、大気・室温でのワンステップのメカノミカル(Mechanochemical,*1)処理により、水酸アパタイト(Hydroxyapatite, HAp*2)の表面を選択的に活性化させ、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound, VOC*3)を100%無機成分まで完全酸化分解し、かつサイクル特性に秀でた高安定性触媒材料の開発に成功しました。HAp材料自身が触媒能を持つため、通常の貴金属触媒のようにセラミックス担体に担持させる必要がなく、HAp材料のみで触媒フィルターを作製することが可能であるなど、環境保全および資源の有効活用のみならず、実用上や経済上の優位性をもつことから、今後、VOCの排出制御による大気及び水質浄化への環境浄化技術への実用化が期待されます。

リリースタイトル:Bone-deep: Mineral found in human bone can help fight toxic organic
         compounds

論文タイトル  :Noble-metal-free hydroxyapatite activated by facile mechanochemical
         treatment towards highly-efficient catalytic oxidation of volatile
         organic compound

掲載ジャーナル :Scientific Reports

DOI      :10.1038/s41598-021-86992-8

 

EurekAlert!のリリース記事はこちら


(*1)Mechanochemical
 メカノケミカル。物質に機械的エネルギーを与えると、物質が粉砕された同時に表面結合状態が変化を起こして活性化され、周りの物質と化学的な反応を生じること。
(*2)HAp
 ヒドロキシアパタイト。アパタイト構造を有するリン酸カルシウムの総称。化学量論型HApは化学式Ca10(PO4)6(OH)2の組成を持ち、Ca/P(CaとPのモル比)は1.67となります。様々な用途に用いられる機能性セラミックス材料として知られており、例えば優れた有機親和性、高い吸着能及びイオン交換能利用した、人工骨・人工歯根といったバイオセラミックス、高速液体クロマトグラフィー用充填剤、除タンパク材、抗菌剤担体などに広く利用されています。
(*3)VOC
 揮発性有機物(Volatile Organic Compound)の略称で、大気中に気体で存在する有機化合物のうち沸点が50℃~260℃の物質の総称と定義されています。主な例として、塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリンなどに含まれるトルエン、酢酸エチルなどが代表的な物質になります。大気汚染問題の他、悪臭及び発がん性等の健康被害への影響も報告されており、特に最近ではシックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質としてされています。

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