オンライン国際研究広報「EurekAlert!」に本学の白井孝先生(生命・応用化学)の研究成果が掲載されました
2022年8月1日付オンライン国際研究広報「EurekAlert!」に本学の白井孝先生(生命・応用化学)の研究成果が掲載されました。
白井先生らの研究グループは、魚の鱗を活用してマイクロ波*1熱分解法により、超高発光効率のカーボンナノオニオン*2の合成に成功しました。得られたカーボンナノオニオンは、これまでに報告されている他手法により合成されたカーボンナノオニオンと比べ10倍以上高い発光効率を示し、現在世界最高の発光効率を発現します。また、異なる極性溶媒へ置換されても安定な光学特性および発光効率を示すほか、カーボンナノオニオンの水分散液を用いた液体塗布法により、フレキシブル薄膜やLEDの作製にも成功し、広い発光面積を持つ次世代固体光源および発光デバイスへの応用が期待できます。
*1 マイクロ波:波長約1 mm 〜1mの電磁波。マイクロ波を物質に当てる際に、物質内部の誘電体、磁性体を構成する双極子、空間電荷、イオン、スピンなどが激しく振動・回転することにより熱が発生させ、加熱手法の一つとして液相固相での化学合成に多く応用されている。
*2 カーボンナノオニオン(carbon nano onion):数層のフラーレンで構成された閉殻同心球状炭素ナノ構造の一つ(サイズは100 nm以下)。たまねぎと似たような構造をもつため、カーボンナノオニオンと呼ばれ、他にオニオンライクカーボン(onion-like carbon)という別名も使われている。
リリースタイトル:Turning Fish Waste into Quality Carbon-based Nanomaterial
論文タイトル :Fabrication of ultra-bright carbon nano-onions via a one-step
microwave pyrolysis of fish scale waste in seconds
掲載ジャーナル :Green Chemistry
DOI :10.1039/d1gc04785j
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